1面で実際にあった不倫調査の一部始終を私の見解を交えお話した訳だが、いかがだっただろうか。
ここでは、浮気=肉体関係の有無が・・。と1面の末尾で問題提起した内容を踏まえそれを具体化した浮気という言葉の持つ意味の説明をさせて頂こう。

では、いきなりだが探偵新聞をご覧の皆さんは浮気と不倫の違いがお分かりだろうか。
又、双方に対しどのような見解をお持ちだろうか。
「 浮気?私はキスをしたら・・。 」 「 僕は彼女が別の男と会った時点で・・。 」 「 いやいや、それぐらいなら・。 」 など、人それぞれ違う意見を出し合うだろう。
それもそのはず、浮気とは「 浮ついた気持ちや心変わりする様。あるいは、肉体関係をもつ関係 」 などを言うらしい。
となると、各個人によってその価値観の違いから、どこからが浮気で、どこまでが浮気でないのか。そして、何が浮気なのか・・。という法的にも言葉的にもあまり決定打のない、何とも曖昧な言葉である。
それとは異なり、不倫とは 「 配偶者を持つ個人と、配偶者以外が、肉体関係を伴う交際を持つ 」 という意味で何とも解り易い。
皆さんも不倫と聞くと不貞行為があってこそ。とお考えになるのではないだろうか。勿論、私もその一人である。
では、双方の違いは何か。
職業柄からか私は、それは婚姻関係の有無だけが特に関係しているのであって、その他の違いは無いのでは?と考えた。

例えば、ある女性が 「 あなた浮気した? 」 と男性に問う。
「 一緒に食事をしただけ。体の関係はないし、浮気じゃない。 」 と正直に話す。
ここで、考えて欲しいのが、このケースをその女性が我々に浮気調査として依頼したとする。
同様の調査結果がでた場合、2人が恋人同士なら 「 他の女と2人で食事?許せない。浮気よ! 」 と調査結果に満足し、別れる可能性も十分にあるだろう。
しかし、夫婦の場合でも同様の調査結果に対して 「 許せない。離婚よ! 」 となるだろうか。
確かに浮気かどうかでいえば、浮気に値する行為であるといえるだろう。しかし、離婚するというまでの重大な過失にはあたらないのではないか。まして相手が望まないのであれば法廷で争ったとしても離婚を望むのは難しいだろう。
簡単に言えば浮気であっても不倫ではないといえるからである。これは浮気という言葉の曖昧さをよく表していると私は思う。
実際、相談者とその対象者が夫婦で、不倫調査を依頼された場合は、離婚の際の証拠として不貞の事実を突き止めたい。という考えの相談者が殆どで、異性と夕食を共にしただけ。となると、はっきり言って白という見方になる。
それに比べ恋人の場合は、異性と2人で会って話しただけで浮気。
それとは逆に、肉体関係があったのだから、浮気だけど別れられない。
など、各個人によって様々である。
要するに、婚姻関係の有無によって探偵を必要とする際の目的意識自体も全く異なるということだ。
以上を踏まえて考えた場合、全く違う意味を持つものと考えられる浮気と不倫を同じ様に解釈することや、我々探偵が浮気調査という調査項目で恋人と夫婦の区別なく同等の調査費が掛かってしまう事は結果的にかなり無理が生じてくるのだ。
これが、私の思う浮気と不倫の定義であり、当社が浮気調査という項目をなくし、カップル調査と不倫調査というように項目を分けた理由でもある。

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